COLUMN

お庭のルーティーン

広さを活かした庭づくり。
ニューノーマルな今だから、
庭との対話を大切に

郊外の一軒家にお住まいの
Mさんご一家。
家の建て替えに伴い、
たくさんの木々の手入れに苦労していた
庭をリガーデンすることに。
広い敷地を活かした庭づくりのプロセスや、
活用方法などをご紹介します。

広い敷地だからこそできる魅力的な庭づくり

敷地の広い庭では、どんな庭にしたいかの具体的なイメージはなかなか描きづらいものではないでしょうか。
「お手入れが大変そう」「敷地を持て余す」など、特有の悩みもあると思います。
そこで、Mさんご夫妻が「理想の庭」をどのように形にしていったのか、お話を伺ってみることにしました。

Mさん旦那様
Mさん奥様

「リビングからフラットに続く庭」がこだわりのポイント

もともと「こんな庭にしたい」という明確なイメージをお持ちでしたか?

Mさん旦那様
「家を建て替えるタイミングで庭もリガーデンすることになったのですが、イメージは漠然としていました。昔ながらの木が多い庭でとにかく手入れが大変だったので、そこはなんとかしたいなと。
依頼の際には、リビング側の木を切って芝を敷き、雑草が生えない環境にしたいことを伝え、あとはおまかせしました」

ガーデナー
「元々お祖母様のお宅とのことで昔からの木々が多く、草も生い茂っており、お子様が遊べるお庭ではないと感じました。また、お手入れが大変なことは見て分かる状態でしたので、これらの問題を解決するために芝を敷くことにしました」

リビングに面した広々とした庭は天然芝に。晴れた日は裸足で走り回るのが気持ち良いそう。

リビングに面した庭は、子育てには理想的な広さと開放感ですね。

Mさん旦那様
「もともと庭にあったブルーベリーと櫁(しきび)の木だけを残してあとは芝を敷きました。
以前の庭は、夏場などは少し放置しただけですぐに雑草が伸びて大変だったので、かなり楽になりましたね。子供がのびのび走り回れるので、公園に行く必要がなくなりました」

Mさん奥様
「建て替え前の家もよく人が集まる家で、みんなでバーベキューをすることが多かったので、新しい家でもその雰囲気は残したいと考えていました。リビングから庭を見渡せる抜け感がほしかったので、リビングの床と同じ高さでウッドデッキを作ってもらいました。室内からフラットな状態で庭を眺めることができるので、とても気に入っています」

玄関前の庭はスタイリッシュで、家の雰囲気とマッチしていますね。特にスロープの曲線が印象的です。

Mさん奥様
「シンプルで無機質なデザインが好きなので、直線的なすっきりした家を設計してもらいました。その分アクセントとして玄関へ続くスロープを曲線にして、玄関までの道のりに沿うように木を植えてもらいました」


ガーデナー
「奥様から『家に帰ってきたときに子供と手を繋いで木々の間を通り抜けるようなスロープにしたい』とご希望があったので、都会にいながらも森や林を感じられるようなイメージで、曲線を取り入れたデザインにしました」

玄関横の坪庭がとても素敵ですが、こちらもオーダーされたのですか。

Mさん旦那様
「これは『お風呂に入りながら坪庭を眺めたい』といううちの父親の希望です。無理だろうなと思いつつ、そのまま建築家さんに伝えて坪庭のスペースを作ってもらいました。

Mさん奥様
「予想以上の坪庭を作っていただいて、細部にデザイナーさんのこだわりを感じます」

坪庭を眺められる浴室。夜はライトアップされ、旅館のお風呂のような雰囲気に。
太陽光の入る洗面所。窓からちらりと見える木々に季節を感じ、洗面台に立つ度に、気持ちがリフレッシュするそう。

ガーデナー
「坪庭は、ご祖父様の『お風呂から紅葉を眺めたい』という和風デザインと、奥様の『足元の窓からかわいいお花を見たい』という洋風デザインの両方を取り入れました。具体的にはお風呂から見える位置に紅葉やツツジを、下草には日陰でも育つクリスマスローズやギボウシを選びましたので、冬でも緑を楽しんでいただけます」

玄関入ってすぐの窓からは、樹高の低い植物が見えるよう計算されている。